PB-100の宇宙の中の人
PBロッキーの日記

大阪市都島区の豚玉とトレーディングカードのお店『やっさん』店主やっさん追悼

今年の暮れから度々覗いてはシャッターが閉まっていたので、意を決して隣の将棋屋で訊ねるとやっさんは昨年9月ごろ急逝されていたと知りました。

また一つ“何気ない幸せ”を失ったことが口惜しくて書いておきます。

都島のディープスポット『やっさん』

やっさんは豚玉(250円→8%の消費増税後は300円)とやきそば(250円→同300円)、夏にはこれにカキ氷(100円)も加わるファストフード店です。

お財布に優しい価格設定と少メニューの脱力したラインナップがなんとも言えません。

また店内で食べる場合は缶ビール(350円)も販売していました。

そんなやっさんが異彩を放っていたのは壁を覆うトレーディングカードです。やっさんのもうひとつの商品はトレーディングカードの売買でした。

こちらは最近はなかなか売れていかない、と近年の子供の懐事情に絡めて聴いています。またトレーディングカードはやっさんの趣味(または関心)のひとつでもあったようでした。

店舗の奥には、テーブルが3つとマンガ本とVジャンプの詰まった本棚が並びます。一番奥のテレビでは深夜放送の録画をやっさんが観ていました。この録画のおかげで『ノーコンキッド』に出会うことができました。

主なお客さんは、店頭で豚玉と焼きそばを買って買えるパターン。店舗の中で食べていくパターンは、例えばトレーディングカードを携えた学生さんたち。店舗で食べる場合、麦茶が出てきました。

これに缶ビールを追加注文してやっさんとの雑談を楽しむ僕のような客もちらほら居たと思います。

そんなやっさんについて僕の知人曰く「なんでもっているのか分からない、興味がある」

この件についてはその後、売り上げは芳しくないが持ち家で家賃がないのでやっていけている、そう聞いたことがあったと思います。

やっさんに通った日々

4年ほど前に大阪で働き始めて間もなく、チョクチョク足を運ぶようになった『やっさん』。

その馴れ初めは、道に迷ってセブンイレブンの所在を尋ねたのがやっさんだった、というものでした。

そのときにチラッと覗いた店内の様子が気になって、後日改めて顔を出しました。

間もなく土曜の夜8時過ぎ頃には、閉店前のやっさんに行って、豚玉を食べるのがパターンになりました。

大阪暮らしの2年目に隣の区に越したこともあり、やや足は遠のきますが一月に一度は通っていました。

昨年の後半から仕事が忙しくなりさらに足が遠くなりました。

年末が近づき久しびりに覗いてみるとシャッターが閉まっている…そんなことが年を越しても続き意を決して先の将棋屋で訊ねたのでした。

都島区トレカ界隈の子供達に向けて

訃報に触れてまず取り掛かったのが、インターネット上での情報収集でした。

しかし、目当ての情報は無くお客さんたちはシャッターの下りている理由を知らないようでした。

インターネットどころか携帯電話すら持たなかったやっさんらしいといえば、あまりにもらしくてむしろ微笑ましいという思いも湧きます。

SNSアカウントとマイフレ(リアルフレンドにあらず)を1人も持たなかったやっさんでした。

都島近辺でトレーディングカードを嗜む子供達に少なからざる影響を与えたであろう、やっさんの消息がこうしてふいに途絶えてしまうことは、ありうる成り行きだったともいえます。

そして、なにがしかやっさんに感化されていた思う僕は、情報時代にあってこれをよしとしません。

君達が親しんだ失われた風景を記録しておきます

人類が協同して作り上げる超巨大な知識データベース・インターネットに、まずは僕が書き残しておきます。

やがて君たちが失ったものを想うころになった時、君もまた君とやっさんのこもごもを記録してくれるのかもしれません。無数のほかのこもごもとともに。

やっさんのご冥福を謹んでお祈りいたします。